民族烤肉節

明日(旧暦8/15日)は年に一度の中秋節です。中秋節といえば、習俗には月餅を食べることとゆずを食べることです。ゆずの皮を切る時は要注意です。皮は底まで切らないことです。わざと2・3センチくらいの間を残して、ゆずの中身を取ること。残ったゆずの皮はばらばらにならないことは大切です。これは子供達の帽子になりますから(笑)。


中秋も「送礼(プレゼントを贈る)」の季節です。食品業者は中秋の一ヶ月半前から、続々と「月餅礼盒」を売り始めます。たとえば今年は8月から7-11でスターバックスさんの「月餅礼盒」を注文することが出来ます*1。それはもちろん自分で食べることではなく、プレゼントとして買うものです。私も先週実家に帰ったら、郵便荷物がありまして、開けてみたら、アルバイトしている会社が贈ってくれた「月餅礼盒」でした(ちなみに一昨年は二十個くらいのゆずでした)。


近年、台湾では、中秋節に烤肉(バーベキュー)をすることは定番になりました。
この二・三日、街中にあっちこっちバーベキューしてる人が絶えません。コンビニの前の廊下や、アパート・マンションの屋上や、土手の上や、バーベキューが禁止されていない公園や、更に会社の中でも人々がバーベキューを必死にやっています(笑)*2
知り合いの中に、一週間連続違う連中とバーベキューしているケースも。

もうすでに、民族団結してバーベキューだけに熱中している状態なんですから、ある友人からの意見で、もう中秋は「民族烤肉節」と言い換えるべきです。


ただ、こんな民族烤肉節は台湾だけらしいです。それに歴史も意外に短いです。いったいいつからバーベキューは必要不可欠になったんだろう。このページの論点は私の印象に一番近いです。


簡単に翻訳すると、

実は、中秋節にバーベキューすることは何かの民間習俗ではないし、特にえらい典故もない、もちろん政府の政策とも無関係です! それはただ一つの誤解から生まれた習慣なんです。

今から約20年前、「萬家香醤油*3」という会社は烤肉醤(バーベキューソース・たれ)のCMを出しました。その「一家烤肉、萬家香*4」のスローガンは早くも流行語になりました。数年後、「金蘭醤油*5」という会社も「金蘭烤肉醤」のCMを出しました。 一時、テレビではこの二つの会社は「烤肉醤」のCM戦争が毎日熱戦していました。

ちょうど、この時期でも頂好・Carrefourなどの大型スーパーが台湾で続々と開幕していました。「ついでに」中秋節のごろにバーベキュー用品のキャンペーンをしていました。 このように、数多く会社の「協力」で、台湾の人々は無意識にバーベキューすることは中秋節の伝統イベントとしてやるようになりました。


まあ、でも中秋節はこのように烤肉節になったのは、偶然ではないと思います。台湾人がバーベキューがすっごく好きですから。私の印象では、生まれてからバーベキューばかり。それに中秋節は何千年も家族団らんの日ですが、亜熱帯の台湾では中秋節でも天気が死ぬほど暑いのは普通で、鍋を食べる食欲はあまりないですよね*6。 それに中秋節は月見する習俗があるので、室外で月見するだけでつまらないですよね。バーベキューしながら月見したほうがそんなにつまらなくならないし。


結局、日本でバレンタインには女の子がチョコレートを贈ることは森永さんの仕業のように、業界の洗脳でした(笑)。 毎年この頃になると、テレビでもこの烤肉醤のCMが増えます。(今は四季・味全などの会社も参戦して、さらにバトルロワイヤルになっています。)


私の印象では、それからある会社は直接CMの中で「中秋烤肉」という言葉も使うようになりました。


私? 私もバーベキューしました、はい。

*1:台湾スターバックス コーヒー味らしいです(謎)。

*2:この二・三年は、バーベキューするのが面倒だと思って日本式・韓国式焼肉屋さんで食べたケースも増えてきました。

*3:http://www.go.net.tw/demo/1-2/

*4:一家でバーベキューして、回りの世帯はみんなその香りがにおいます。 無関係ですが、現在はこのフレーズもばくちの時に、「一人だけすごく負けて、他のみんながお金を儲けたこと」を形容する。

*5:http://www.kimlan.com/

*6:同じ家族団らんの日ですが、春節=新年は鍋を食べたほうが普通。